苦労について
ケアマネジャーは責任の大きな仕事
ケアマネジャーは、利用者さんのケアプランを作成し、管理します。また、事業所の管理者を担っている場合も多く、その立場は複雑です。利用者さんと事業所、どちらとも向きあう立場であるからこその苦労があります。例えば、ケアマネジャーは利用者さんやその家族と直接話をして、利用者さんのニーズに応じたケアプランを作成しなければなりません。一方で事業所の中には、介護保険制度のもとどのようなサービスなら利益をあげられるか、利用者さんを増やしていけるかなど経営目線の考え方も必要です。ケアマネジャーは、利用者さんと事業所をつなぐ役割を担っているので、利用者さんのニーズと事業所の方針を調整することも、大事な仕事のひとつです。特に、ケアプランの作成にあたっては自身のやり方や信念が事業所に理解されていないと上手くいかない部分もあります。
それぞれの利用者さんや、その家族と向きあうためには、時間も必要です。介護の仕事は、いつ何が起こるか分からないため、常に利用者さんのことを考えておかなければなりません。そのうえケアマネジャーは技術向上のためにさまざまな研修を受講することも多く、多忙感を最も大きな苦労にあげるケアマネジャーは多くいます。
人と関わる仕事だからこそ生まれる、苦労とやりがい
ケアマネジャーが関係をつなぐのは、利用者さんと事業所だけとは限りません。ケアプランを作成するにあたって、特に難しいのが利用者さんとその家族とのニーズの違いです。利用者さん本人は、在宅でのサービスを希望していてもその家族は短時間でもデイサービスを利用したいなどと希望される場合もあります。
特に、認知症を患っている場合などは、必ずしも本人の希望を優先させた方がよいというわけではありません。家族の方が、家でひとりにさせるのは心配だからと、デイサービスを希望される場合もあります。認知症で本人が自分の意思を上手く伝えられない場合は、特に慎重に対応していかなければなりません。
例えば、利用者さんに直接聞けなかったことを家族に聞いたら、利用者さんの方がなぜいってもないのに自分の個人情報を知っているのかと不審に思われたということもあります。個人情報に関しては、とくに大切に扱わなければ利用者さんとの間の大切な信頼関係を、失ってしまうこともあります。
人と関わる仕事だからこそ、このような苦労は生まれますが、だからこそ小さな変化に心を動かされたり、利用者さんやその家族からの感謝の言葉が励みになったりもします。
ケアプランを更新していく中で、目標が達成されていくのはケアマネジャーとして大きな喜びにもなります。大きな責任とたくさんの苦労があるからこそ、ケアマネジャーはやりがいのある仕事といえるのです。
